前回の更新でだいぶ暖かくなってきたし、って書いた途端。
十寒一温みたいな日々が続いて。
かと思えば。
ここ数日は、ほとんど夏日。あちぃ。
でもまあこのくらいなら、寒いよりはずっといい。
で。
この数週間、長らく冷めていた読書熱が不意に再燃して。
積んで久しいあれやこれやを何冊か読んでたんだけど。
『ねじまき鳥クロニクル』を最後に、もういいや、と思っていた村上春樹。
を。
何が決定的な動機になったのかは忘れたけど、昨年か一昨年前くらいに『1Q84』は読んでみようかな、と思い、購入し(てもらっ)ていて。
昨日、それを読み終わった。
結論だけ書くと、「やっぱりもういいや、を貫けばよかった」。
ねじまき鳥までは長編・短編共に全作読んでいて、好きなのは「初期三部作(風の歌・ピンボール・羊)」とそれに続く『ダンス・ダンス・ダンス』と『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』だけなんだよね、結果。
なのに、新刊が出たり、未読の既刊本を見つけたりすると、つい買ってしまって。
そして大抵は軽く(ノルウェイは重量級に)後悔した。
それでも毎回手が伸びたのは、彼独特の文体なり、小道具なり、雰囲気なりに何かしら好ましいところがあったから、というのは勿論あったとは思うけど、それよりも、その理由の大半を占めたのは、おそらく僕の「癖」だったと思う。
気に入ったものは全部集めたい、全部揃えたい。
とにかく「欠けたり抜けたりが嫌」という、重度のコンプリート体質。
本当は。
長編は『国境の南、太陽の西』で、短編は『パン屋再襲撃』で、「もういいや」ってなっていたのに。
『ねじまき鳥クロニクル』、『TVピープル』、(『1Q84』の前にやってしまっていた)『レキシントンの幽霊』も、「もういいや」を貫けばよかった。
と。
ほぼ悪口になりそう、と思って、感想は書かないって決めたのに。
こんなに書いてしまった。悪口。
でも、本当に、前述した5作品は、大好きだった。
(特に『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』はいつかまた読み返したい。)
そして。
今度こそ、「もういいや」を貫こう。きっと。