What’s up?

日々がたとえ繰り返しだとしても、僕はそれを愛しているんだ。

そりゃあ錯乱して花だって撒くだろう

例えば胸に響く歌に出会ったとき、いいな、好きだな、と思う。
だけど時折、そんな感情を超えて、歯噛みしてしまうくらい悔しさを感じるときがある。
ヴァージンVSの『さらば青春のハイウェイ』とか、TOPSの『Vehicle』とか、てつ100%の『グシャグシャ恋ROAD』とか、矢野真紀の『真夜中の国道』とか、Coccoの『焼け野が原』とか。

その度に、思い出す映画がある。

『アマデウス』(1984年/アメリカ)。
ご存知古典派音楽の巨人、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトと、同時代を生きた宮廷音楽家サリエリとの、天才対秀才、だけではない物語。

「神は私に天賦の才を与えず、それを見抜く能力だけを与えた」
いやあ、刺さるねえ。
秀才なんて所詮、もの凄く努力した凡人だもんね。

その努力は、きっと無駄ではない。
だけど心底欲しいモノは、努力では決して得られない。

そして、望んで得られなかったものを手に入れている誰かを、素直に評価するのは難しい。
だけどもっと、真正面から嫉妬する方が、何倍も何十倍も「自分」を消耗させる。

「悪魔に魂までは売れないな」とでも思って、通り過ぎてしまえばよかったのに。

だけどサリエリは、悪魔に魂を売れるほど、モーツァルトの才能を愛した。
そして彼は、神が与えたその才能と、与えられなかった自分自身を同じだけ憎んだ。

 

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凡庸なるものよ、お前たちの罪を赦そう。