まあ、まだまだ「たたき台」だけど。
『最後のパントマイム』九月水曜 (2018年)
最後の馬鹿騒ぎさ
最後の
2国を西へ
あの頃にはまだなかった
大橋を渡って
あの頃でも
どの頃でも
好きに思い出したら
二度目には
そっぽを向いて
早口にそう言った
海に落ちる陽
くにうみの縁取りを南へ
宛てもなく
最後の馬鹿騒ぎさ
これが
最後の悪あがきさ
テトラポッドから
滑り落ちて
海に沈んだ
カメラのフィルムだけが
あの日のきみの
表情を知ってる
どこかで花火が上がって
助手席から不意に身を乗り出す
危ないからって掴んだ手を
インターまで 離せずに
最後の悪あがきさ
当ててみて
最後の
パントマイムさ
両手を広げて
目を閉じる
心を
当ててみて
最後の悪あがきさ
靴音が
聞こえなくなるまで
靴音が
聞こえなくなっても
最後の
パントマイムさ
忘れてくれ
忘れてくれ