What’s up?

日々がたとえ繰り返しだとしても、僕はそれを愛しているんだ。

千里ローラー4回転目

前回の「千里ローラー」であと2、3回の予定、と書いたけれど。
思うところあって「回転」はこれで終わりにして後は「ランキング20」で締めようかと。

kugatsusuiyou.hateblo.jp

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では4th、最後の全曲。

『乳房』大江千里 (1985年/12月)

1 [サンタクロースがやってくる]

幾つかある彼のクリスマスソングの中ではこれが一番好き。メロディは3rd寄りながら、このアルバムから歌詞の世界に恋愛以外の要素を含んだものが現れ始める。

2 [彼女によろしく]

前奏からのシンセもパーカッションも(おそらく)初めての女性コーラスもカッコいいし、かなり恨みがましい歌詞も好き。ただ他の曲がより印象的だったり圧倒的だったりするからランク外になってしまうだけの、初期の佳曲。

3 [手垢のついたステイショナリー]

このアルバムではダントツで好き。詞ももちろんいいけど、メロディとアレンジがめちゃくちゃイイ。転調前の間奏のピアノがまだ好き、まだ好き言ってるもんね。
あとこれ僕も指紋か手垢ならこっちだな、と思う、4th唯一の「20」ランクイン曲。

4 [コンチェルト]

前奏とか全体を通して印象に残る音とかはカッコいいんだけど、歌詞に取り留めがなさ過ぎるのが残念。だけど聞き流すのには耳触りが良い『フレンド』カップリングの、不思議な歌。

5 [バンドをつくろう]

4thの中で曲はともかく詞が浮いている、これまた異質な『コスモポリタン』のカップリング。
(後にこの”ネタ”が進展して洗練されて次のアルバム収録曲の『ゆめみるモダンクリスマス』になる。と勝手に思っている。)

6 [六甲GIRL]

「神戸(方面)シリーズ」では二番目に好きなアップテンポの別れの佳曲。
ちょっと懐かしくなるくらい「カワイイ」千里。
だけど間奏のピアノはジャジーでカッコいい。

7 [JANUARY]

1stの「ワラビー」に続いて「ガムシュ」もネットが普及するまで謎だった。(歌詞全体からの推察と”前科”からまた靴?と思ってはいたけど。)
何のヒネリもないけれど、聴いていて温かい気持ちになるハッピーソング。

8 [コスモポリタン]

初めて聴いたときは結構な違和感があった9thシングル。(その後こういう生活や社会を織り交ぜたり軸にした曲が増えていく。)
曲調も歌詞もかなり硬質な、短い記録フィルムを視ているような4thの中では異質な曲。
今は普通に好き。

9 [愛するということ]

これも曲は初期の安全地帯のような”大人サウンド”でそれなりにカッコいいんだけど、歌詞が僕は好きじゃない。
たまに彼はこういう勢いだけで書いたような詞があるけれど、「大江千里」の持ち味は「シーン」と「ストーリー」と「フレーズ」だからね。(僕はそれを彼から教わった。)

10 [フレンド]

ラストはまさに”お手本”のような千里。
「指が覚えた市外局番」だし「YOU BELONG TO ME」だし「シグナルの途中でかき消されて、うずくまって泣いてた背中見えたよ」だし、もう、パーフェクトな8thシングル。
だけど、何度も言うけど、ランクイン曲が良すぎる。

 

乳房

乳房

 

 

勝手な千里ランキングには「20」までに1曲しか入らないというのに「アルバム」としての完成度というか、水準が一番高いのはこの『乳房』だと思う。

1stからこれまでの上質な大江千里が詰まった、冬の空に輝いた”少年時代”最後のフルムーン。