誰もが心の中に、理想の女性(もしくは男性)を描いていると思う。
それはいつからで、何がきっかけだったのか、もう憶えていない人もいるかもしれないけれど、僕はその瞬間をありありと憶えている。
『Lazy Daisy』安全地帯 (1984年)。
前年、『ワインレッドの心』でその名を知って、初めてテレビの歌番組で彼等を目にしたときは、楽曲よりもボーカルの出で立ちが記憶に残った。くらい。
その2年後、(経緯は忘れたけれど)同級生に借りた彼等の1stアルバムの中の『ラスベガス・タイフーン』にかなりな衝撃を受け、我らが救世主・レンタルレコード店で、既に発売されていた残り2枚を纏めて借りた。
…なんだ、この女たちは、一体なんなんだ?
それは、歌そのものではなく、そこに浮かび上がる女性のイメージに魅了されるという、初めての体験だった。
『眠れない隣人』『真夏のマリア』『エクスタシー』、挙げだせばきりがない中でも、とりわけ『Lazy Daisy』。
もう完全に、完璧に、「艶やかで華奢で、気怠げで勝ち気そうな女」に、惚れた。
けれど補足。
この歌は、前奏からAメロ、Bメロ、サビ、間奏、そして前奏にループしていく感じの後奏まで、そのどれを取っても、徹頭徹尾、目も眩むほどカッコイイ。
meets 松井五郎。
以来、僕が好きになる女の子のタイプは、二通り。