What’s up?

日々がたとえ繰り返しだとしても、僕はそれを愛しているんだ。

君はおそらくビギナー

天気予報が明日の雨を予言し、その雨以降は本格的に寒くなると宣言してきたので、相応な冬服を収納ケースから何枚か出して、半袖Tシャツを何枚かしまった。

秋も深まり、だんだんと気温が下がるにつれ、我家の三女(お散歩魔人)はいつまでもどこまでも歩こうとする。だけども体重が3キロちょっとのマルチーズだから、もちろんそんなにスタミナはない。でも大丈夫、疲れたら抱っこしてもらうから!と、千切れんばかりに尻尾を振って、その真っ黒な眼をキラキラと輝かせて僕を見てくる。『Isn't She Lovely』も聞こえてこようもの。

 

Songs in the Key of Life

Songs in the Key of Life

 

 

夕方3時、ほとんど風もなく、ぽかぽかと暖かい。
予言が正しければ、これが、今年最後の小春日和だ。

彼女はいつものコース・ロングバージョンを、僕の前になり後ろになり、右になり左になりしながら、いつの間にか身に付けた肢曲ですいすい歩いていく。
そうして4、5メートル進んでは振り返り、また進んでは振り仰ぎ、何度も何度も視線を合わせて、まだ家方面へ戻らないかを確認したり、立ち上がって抱っこの催促をしたり。

西陽を受けて、僕の肩で、眩しそうに目を細める。
それから濡れた鼻先を僕の頬にくっつけてきて、歩く?と訊くと、もう一度くっつけてくる。

 

野良犬トビーの愛すべき転生 (新潮文庫)

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生まれ変わり、死に変わり、僕らは何度でも、家族になろう。