「『悪魔』というのを本で調べたが、一番それに近い生物は、やはり人間だと思うぞ」
大好きなミギー、僕もそう思うぞ。
『寄生獣』岩明均(1988年〜1995年)。
「ジャンプとキセイジュウ、どっちにします?」
出鱈目に飲んで、色んな部屋で寝て起きて、記憶もおカネも夜の街に撒き散らして、右目で笑って左目で泣いていた、1994年。
御幸通のマンションの5階で、久しぶりに会った後輩が、そう言って差し出してきたマンガ本。
それはその夏、その部屋の定番の「枕」で、週刊ジャンプなら2冊、コミックスなら3冊と決まっていたらしく、だけどその朝僕は全然眠くなかったから、「枕」としてではなく、単なる暇つぶしのつもりで『寄生獣』を選んだ。
結果、一気読み。ど嵌り。
目も頭もより一層冴えて、話の続きが気になって、4巻以降を部屋中探しまわった。
けれど、続きは結局その部屋にはなかったので、寝ていた後輩を起こして本の出所を訊ね、暫くして別の後輩があるだけ持ってきてくれた。
「哺乳類は痛がりやだな」
小さなケガをする度に、思い出すセリフ。
田宮先生が深っちゃんなら絶対に観ないと、と思ったまま未見。