What’s up?

日々がたとえ繰り返しだとしても、僕はそれを愛しているんだ。

聴いておくれよ俺のポニーテール

何の情報も期待もなく、ジャケ写がふと目についてちょっと観てみようかな、くらいな感じで観始めたんだけど。

これはもうきっと。
僕の本年度ナンバーワン。

と観終わってすぐに思って。

で。
コレ書くために昨日観返してみて。

やっぱり。

僕の本年度ナンバーワン。

あの頃、君を追いかけた[Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2014/04/04
  • メディア: Blu-ray

『あの頃、君を追いかけた』(2011年/台湾)

あらすじと公式サイト

台湾中西部の町、彰化(しょうか)。頭の中はアレでいっぱい。将来のことを真剣に考えたこともない高校生コートンと、個性豊かな仲間たちは、くだらない悪戯で授業を妨害する毎日を過ごしていた。担任からお目付け役を仰せつかった女生徒シェンを疎ましく思いながらも、次第に胸がざわつき始め…。(映画『あの頃、君を追いかけた』公式サイトより)

www.u-picc.com

ざっくりと感想

まず、映画の流れが見事。
誰かの結婚式らしいオープニングから過去へ、そこから登場人物の紹介、と同時にどんな時代でどんな背景か、をざっと見せ終わる頃には核となる物語がもう動いている。

その物語も主役の二人が「意識し始めた」くらいの頃は軽快に互いの距離が近づいていくのに対し、「恋」になった(と自覚した)途端に、俄然じれったくなる。
ただ、じれったくなってからもなる前も、要所要所のエピソードやシーンがすごくイイ。

そして今回、もう一度この映画を観返したことによって。
初見とは違うストーリーの追い方をしたことによって、しみじみ思ったんだけど。

「岐路」って、いつでも、過ぎてからしか気づかない。

その時には僅かなすれ違いが。
想いあっているのに互いの言葉たらずが。

同じだったはずの道を、未来を、分けてしまう。

その先で、また、巡り会う事があっても。
それは「いつか見た未来」とは違う世界。

「パラレルワールドを信じる?」
煌々と光る満月を見ながら、電話口でコートンが言う。
「恋をしてくれて ありがとう」
チアイーが見上げる月は、建物に半分遮られている。

こうして物語は絶妙な緩急を付けながら『ニュー・シネマ・パラダイス』を彷彿とさせる(させない)ような、超ドラマティックなエンディングへ。

ホント、是非観てほしい。
観てほしい、んだけど。

ただ一点。
下ネタが多い、多過ぎる。

けれども。
それを差し引いても十分に素敵な作品だと思うので、やっぱり観てほしい。

台湾の「夜」

僕は台湾映画が好きでまあまあ観るんだけど。
台湾の映画は、どれも「夜」がいい。

この『あの頃、君を追いかけた』でも、夜、学校で居残り勉強をしているシーンや、コートンが夜の街を自転車で駆け抜けるシーンなど。

明かりの滲み方や空気の色が、昔の日本みたい、と言うか。
僕の小中学生の頃の記憶の中の夜みたいで、何だか懐かしい。

と。
ここまで書いて、もしかして台湾の「フィルム」のせいなのかな?と思ったけれど。

いや、台湾の「夜」のせいにしておこう。

藍色夏恋 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2018/08/31
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僕の台湾の「夜」、最高峰。

ところで。
映画観終わってからずっと『情熱☆熱風☽せれなーで』の一節が頭の中で鳴ってる。

聴いておくれよ 俺の ポニーテール

俺の、ポニーテール。